忠孝酒造さんは、古酒作りには欠かせない甕を独自で作っており、自社で作った泡盛を自社で焼いた甕に入れて保管しています。その甕は「南蛮荒焼甕」。
南蛮荒焼とは、琉球王国が海外交易を盛んに行っていた15~16世紀に、東南アジアから伝来した南蛮甕を起源とした、釉薬を使わないで焼き締めた焼き物のことで、泡盛の保管を始め、古酒つくりには欠かせない容器として使用されてきたそうです。
県内メーカーとしては初めて泡盛熟成容器の開発に成功した忠孝酒造さん。
その甕作りにかける思いを忠孝酒造の常務取締役・大城幸男さんに伺いました。



古酒を購入したお客様からのクレームは、「いつのまにかなくなっている。」「もれる」など、ほとんどが甕に対してのクレームだったんです。
そこで、忠孝酒造会長の大城繁がお客様に古酒を楽しんでいただくために、おいしい泡盛を作るだけでなく、丈夫な甕を作りたいと思い、陶器職人に協力してもらって甕の研究を始めました。

まず、甕作りを研究するにあたって、古酒がもれないような良い蓋を作るため、木を削って蓋作りからスタートしました。
そして土にもこだわり、「島尻ジャーガル」というよく締まる沖縄の独特の土を使用しています。釉薬を使ったらビンと一緒なので、炎で色をつけています。
土の配合や、火の温度調整など試行錯誤を繰り返して、一年かけて焼き方を研究してようやく出来上がりました。

今も職人がろくろを使って手作りで甕を作っています。約一ヵ月から二ヶ月乾燥させて出来上がるというように手間も時間もかかりますが、良い甕を作るためには欠かせないことです。
成形・乾燥・焼きの工程を経ると、元の45%までサイズが縮まります。これによってとても密度が濃く、古酒が漏れにくい甕になります。
よく、泡盛を寝かせたまま一度も開けないで何年も保存している方がいますが、100%古酒がもれない甕は難しいと言われています。私たちが作った甕でも、一年に一回は確認しないといけません。
子供が二十歳になったときに古酒を飲む習慣があるように、古酒文化を残していくために10年、20年、100年でも長く保存できる甕を作っていきたいです。

忠孝酒造さんは、500年も前に使用されていた南蛮荒焼甕を現代に蘇らせるのに成功しました。さらに泡盛作りに関しても昔の製法、シー汁浸漬法で新しい商品を作るように、泡盛の歴史や文化を保存して伝えていくことをとても大切に思っている姿が印象的でした。
古酒文化を甕に込めて次世代に残していきたい。
その想いが、甕を作っている大城さんと職人さんたちから伝わってきました。
文・写真
琉球泡盛ナビィ制作委員会:仲宗根香織
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