忠孝酒造
豊見城市にある忠孝酒造の工場。今回ご案内いただいたのは熱田和史さんです。
実は熱田さんは、東京農業大学から醸造学の博士号を取得した、泡盛作りの博士なのです。この博士号取得は泡盛業界では初めてのこと。
泡盛が好きで研究に講じたその思いを伺ってみました。
製造部研究開発課課長
熱田和史さん
沖縄の酒造業界唯一の、醸造学博士です。
熱田さん:琉球大学に入学して、卒論で泡盛研究をしました。もともと泡盛が好きだったから、ということもありますが、伝統文化としての泡盛を微生物学から研究するのはとても面白くてのめりこんでいきました。
そして1999年から東京農業大学の小泉武夫教授の下、研究生活が始まりました。
共同研究テーマは「古式泡盛『酸汁(シー汁)浸漬法』の醸造学的意義と復活化へのアプローチ」です。
それからは、沖縄で泡盛を作りながらの研究で、東京と沖縄を行ったり来たりでした。
-研究しているときは忙しかったんじゃないですか?
熱田さん:微生物と泡盛作り工程のかかわりや私の専門である醸造学の観点からの研究は意義あるものだと信じていて、しかも約40年前に姿を消した泡盛製造工程のひとつ「シー汁浸漬法」を復活させ泡盛文化の広がりの可能性を作るためにも研究生活が苦になることはありませんでした。
その甲斐あって、研究開始から7年目の2006年2月に東京農業大学から博士号を授与されました。
熱田さん:一つの忠孝でも泡盛の種類はいろいろありますが、いかに味に変化をつけていくかが重要だと思います。
忠孝のさまざまな味を楽しんでいただき、それぞれのお酒で好きな人が増えていってほしいです。
熱田さん:あっさり系のお料理だと翠古、刺身やサラダなどの軽めの料理だったら豊吉や夢航海。こってり系の油モノ料理だったら古酒がいいかと思います。しかし、これはあくまで私の目安なので、自分にあった泡盛を自分の舌で味わい見つけて頂きたいです。

泡盛好きから高じ、研究を重ねて博士号を取得した熱田さん。泡盛ができるまでを工場の中で丁寧に案内していただきました。忠孝酒造の理念である「泡盛文化の継承・創造」、そして泡盛作りにかける熱田さんの思いからは並々ならぬ勢いを感じました。
ところで、沖縄自動車道を空港で降り、仲地交差点近くにあるこの建物見た方はいらっしゃるかと思います。
これは、忠孝酒造さんの泡盛貯蔵庫なのです。ここには、ずらっと古酒が貯蔵されています。その数なんと870,000リットル!古いもののでは、二十年物からの古酒があります。
その数と歴史に圧倒されてしまいます。
うれしいことに、貯蔵庫を見学中、企画開発部の徳田さんに18年古酒で県知事賞を受賞した古酒を飲ませていただきました。まろやかなのど越しで、しかしジワっと体の中心に、しっかりと染み渡って消えない余韻を残す味でした。
とても美味しくいただきました。(琉球泡盛ナビィ羽山)
沖縄を代表する泡盛として名を刻んできた忠孝酒造さんですが、熱田さんは「認知度はまだまだ弱いほう」と謙遜しておっしゃってました。
しかし忠孝酒造さんは泡盛の研究開発だけでなく、甕作りにも力を入れいており、県内だけでなく県外からも注目が集まっています。ますます発展して広がっている忠孝酒造さんからこれからも目が離せません。
追記
取材させていただいたのは10月の中頃でしたが、この記事を書いていると今年も泡盛鑑評会で県知事賞を受賞されたとの一報が入ってきました。おめでとうございます!
文・写真
琉球泡盛ナビィ制作委員会:仲宗根香織
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